冬の時期に犬と一緒に楽しめることは何かと考えた場合に、「雪」は外せません。
コタツや布団の中でワンちゃんと一緒にぬくぬくとお昼寝をするのも気持ちよくて幸せを感じますが、それはいったん置いておきます(笑)
そこで今回は、雪の中で愛犬と楽しく過ごすためのポイントをご紹介します。
犬は雪が好き?
『雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ、降つても降っても まだ降りやまぬ、犬は喜び 庭 駈(か)けまわり~』
これは、日本の有名な童謡「雪」の歌詞の一節です。
実際、犬が雪を見てはしゃぐのは珍しくない光景ですが、それはなぜでしょう?童謡のとおり犬は雪が好きだから?
それは犬は雪が好きというよりも、いつもと違う事とかハプニングが大好きだからです。
そのため、都心部などあまり雪の降らない地域の犬は雪を見てはしゃぐことが多く、反対に雪国に住む犬は雪を見ても別にはしゃいだりはしません。
ですので、雪に慣れてしまったら好きという気持ちは薄れていくかもしれませんね。
なお、犬が雪を好きな理由として「犬の祖先であるオオカミが北国に生息していたので、祖先の記憶が呼び起こされて雪を懐かしんでいるから」ということが言われたりしますが、それは上記の理由で正しくないといえるでしょう。
犬は寒さに強い?
犬は人間よりも体温が1~2℃高いため体温調節は得意なので寒さには強い方です。
ただ犬種、年齢や体質など個体によって寒さに対する強さは様々ですので普段から愛犬の体質などは把握しておきましょう。
被毛が上毛と下毛の二重構造になっているタイプをダブルコートと呼び、皮下脂肪もそれなりに厚いので保温能力が高いです。
一方、南方原産犬種に多いシングルコート(スムースコート)は毛が抜けにくいのですが、寒さには弱い犬が多いです。
ただ、寒さに強い犬種でも年齢や体調によって異なりますので着衣などで工夫をしてあげてください。
■ダブルコート(寒さに強い犬が多い)
ボーダーコリー・シェットランドシープドッグ・ハスキー犬・ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバー・コーギー・柴犬・秋田犬などの日本犬
なお、ミニチュアシュナウザーはダブルコートですが抜け毛が少ない犬種です。
■シングルコート(寒さに弱い犬が多い)
チワワ・トイプードル・シーズー・マルチーズ・ヨークシャテリア・パピヨン
グレーハウンド・グレートデンなど
犬を雪の中で散歩させても大丈夫?
雪に慣れていない犬は短時間の散歩から始めて様子を見ましょう。
飼い主も犬も安全確認をしっかりと。
また雪の中の散歩が多い場合は、高カロリーの食事にしてあげるとよいでしょう。
帰宅後のケアが最も重要です。しっかり全身を拭いてあげてください。
外と家の中の気温の差にも気を付けてあげてください。
雪の日でも日光浴は大事です。日中にお散歩しましょう。
犬は雪を食べても大丈夫?
きれいな雪なら問題はありません。(食べ過ぎてお腹をこわさないようにね)
異常にたくさんの雪を食べる場合は糖尿病などの病気の可能性もありますから、一度獣医さんにご相談ください。
犬の雪遊び・お散歩プラン
■ドッグラン
雪遊びに最適なのは、安全な雪のドッグランがおすすめ。
ノーリードで思いっきり雪遊びさせてあげてください。
飼い主さんは愛犬の雪だるまを作ってあげて記念撮影などいかがでしょう。
■スキー場
犬の入場がOKならスキー場でのお散歩が楽しいです。
スキーができないような雪の少ないところはお散歩にうってつけ。
ソリ遊びができるような場所で飼い主さんのソリと一緒に斜面を駆け下りるのも楽しそう。
泊りがけならスノーシューツアーなどたくさんのプランが用意されています。
旅行先で思いっきり遊んで思い出作りもいいですね。
犬も人間も足跡のついていない新雪の上で思いっきり遊ぶなんて楽しいに違いありません。
くれぐれも安全第一で冬の自然を楽しんでください。
なお、子犬は体脂肪が少なく体温調節が難しいので抱っこして、雪に慣れさせてから様子を見ましょう。
高齢犬は新しい環境が苦手なので、雪遊びが初めてなら控えた方が良いです。
犬の防寒(霜焼け・あかぎれ・ひび割れなど)
犬の体の中で肉球・耳・尻尾が、最も寒さの影響を受けやすい場所です。
また、雪が積もったときは、雪を解かすための凍結防止剤・融雪剤が撒かれることがあり、この主成分の塩化カルシウムは、肉球に炎症を引き起こします。
融雪剤の主成分は塩化カルシウムです。[中略]
また濡れた素手手で融雪剤に触れると、塩により軽度の火傷となって皮膚炎を起こします。
つまり、散歩している犬猫が融雪剤を散布したばかりの地面を歩くと、動物達の肉球も焼けてしまい炎症を起こします。出典:はまだ動物病院
炎症・あかぎれ・ひび割れ・霜焼けなどから守るためにも、犬用靴下やブーツ・靴、スヌード、クリームなどでワンちゃんの身を守ってあげましょう。
■犬用靴下(ソックス)
突然履かされた靴下に固まってしまう犬は多いです。人間の赤ちゃん用の靴下で様子を見るのもよい方法です。少しずつ慣らしてあげてください。
室内では防寒や乾燥を防ぎますし、滑り止めにもなります。
■犬用ブーツ・靴
体温調節する上でとても重要な肉球。いろいろな種類が販売されていますが愛犬の体に合ったもの、用途に合ったものを選んでください。
災害時にはケガの予防にもなりますので、非常用袋に入れている人もいます。
■クリーム、ワックス、オイル
クリーム、ワックス、オイルなどを肉球に塗って、しもやけ・あかぎれ・ひび割れなどから守ってあげましょう
■スヌード(耳のケア)
雪の日などは、耳の大きなワンちゃんは耳が凍傷になる可能性があります。スヌードは、そんなワンちゃんの耳を覆うことで寒さ・凍傷から守ってくれます。
■ドライヤー、コタツ、お湯
雪遊びが終わったあとは、ドライヤーやコタツなどでワンちゃんの体を温めてあげましょう。雪玉はお湯(ぬるめがおすすめ)をかければ簡単にとれます。
犬の雪玉対策
■服を着せる
■ベビーオイルを塗る
犬を雪の中で遊ばせていると、雪玉とよばれる雪の塊が体にくっついて、その雪の塊が遊んでいるうちにどんどん大きくなっていってしまいます。
特に毛が長い犬種は、顔や飾り毛など全身にびっしり付いてしまいます。
雪玉が大きくなってその重さで毛が引っ張られると、犬は痛みを感じて歩けなくなったりします。
お湯で雪玉を溶かして取り除くのが簡単ですが、屋外ではなかなかできるものではありません。
そのため、なるべく全身を覆うタイプの服をお勧めします。
ウエットスーツなど体に密着するものは特に安心です。
ハイネックのTシャツとレインコートの重ね着もよいでしょう。
雪が中に入らないよう隙間ができないように着せてあげてください。
ベビーオイルを塗って、雪玉をつきにくくするという方法もあります。
飼い主の雪対策
ワンちゃんばかりでなく、飼い主さんも安全に十分注意しましょう。
靴は滑らないように靴底に滑り止めのあるものを選んでください。
足元は大変冷えますので靴下や足用カイロなどで防寒対策を。
ゴム長靴は便利ですが雪の深いところではかんじき、スノーシュー等が必要です。
特に下半身の防寒は大切。スキーウエアなどもよいでしょう。
さいごに
何よりも大切なのは安全対策です。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、ケガなどをしないように万全な対策をして最高の雪遊びを楽しんでください。