犬の車酔いの症状と対策!ツボ・アロマ・酔い止め薬などで治そう

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愛犬が車酔いで気持ち悪そうにしていると、何とか楽にしてあげたいと思いますよね。

乗り物酔いを克服して、楽しい旅行に出かけたらリフレッシュできること間違いなしです!

犬の車酔いには、犬に無理をさせず負担をかけすぎずに克服できる方法があります。

そこで今回は、犬の車酔いの症状・対策・予防方法などをご紹介したいと思います。

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犬の車酔いの症状は?

犬が車酔い(乗り物酔い)をすると、次のような症状があらわれます。

症状は、①から②に移行して、最終的には③に発展します。

酷くなると、停めた車に乗せただけでも車酔いの症状(よだれがたくさん出るなど)が起こるようになります。

段階 症 状
  • そわそわして落ち着きがなくなる
  • 吠える、心細く鳴く
  • めまいが起こる
  • よだれがたくさん出る
  • 口をくちゃくちゃさせる
  • 生あくびをする(あくびの数が増える)
  • 震える
  • 吐き気をもよおす、嘔吐する
  • 下痢をする
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犬の車酔いの原因は?

犬の車酔いの原因をご紹介します。

このようにして見てみると、人間の車酔いの原因とほぼ同じですね。

  • 乗り物の揺れ
    平衡感覚・バランスを整える「前庭・三半規管」が刺激され続けることで起こります。
  • エンジン音・振動
    車に慣れない犬にとっては、車自体が大きな音と振動を出す得体の知れない恐ろしい乗り物でしかないため、大きなストレスを感じます。
  • 車内の匂い
    車にこもった臭い(タバコ、食べ物、飲み物、オイル、芳香剤、香水など)や、車特有の臭いも犬にとっては車酔いの大きな原因になります。
  • 過去の嫌な記憶・体験
    過去に車で酔いで気持ち悪くなった記憶が呼び起こされて、停車中の車に乗っただけでも車酔いの症状が出ることがあります。
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犬の車酔いの予防法は?

先ほどご紹介した犬の車酔いの「原因」を解決すれば、車酔いは解消できます。

ここでは、日頃練習しておく犬の車酔いの予防法をご紹介します。

予防法1(日頃練習しておくこと)

この予防法の目的としては、「車の振動やエンジン音に慣れさせる」「車で出かけたら楽しいことや良い事があると思わせる」といったように、車自体に良いイメージを植え付けることです。

  • 停車中の車内に乗せる
    「停車中の車内を歩かせたり、助手席に乗せて10分後に車から出す」を繰り返す。
    (1日2回を、3~4週間続ける)車内でおやつ・食事を与えることも、良いイメージを植え付けるために効果的です。
  • ドライブの練習をする
    自ら乗れるようになったら「短時間ドライブし、よだれが出る前に10分休憩し再び乗車」を繰り返す。(数日間継続し徐々に長くしていく)
    車に乗って公園に遊びにいく。

予防法2(乗車直前に気を付けること)

車に乗る前に、これらのことを気を付けることで車酔いの予防になります。

  • 満腹でも空腹すぎても、車酔いしやすくなるので注意する。
  • 乗車の2~3時間前までに食事を済ませる。
  • 水は1時間半前になったら飲ませない。
  • 乗車前に排泄、排尿を済ませておく。
  • 体調がすぐれない時は乗せない。
  • 運動等で疲れさせてから乗せ、車内で眠るように仕向けると効果的。

乗車時の車酔い対策

犬が車に乗ったときの、車酔い対策をご紹介します。

車内の臭い対策

  • 窓を少し開けて、外の空気を取り入れる
    窓を開けて外の空気を取り入れることで、車内にこもった臭いが解消されますし、犬も色々なニオイを嗅げるため気分転換になります。
    ただ、窓の開けすぎは思わぬ事故につながりますので、くれぐれもほどほどに。
  • プラズマクラスター
    車酔いの原因となる「芳香剤・タバコ・ガソリン・排ガス」などの臭いは、プラズマクラスターなどの脱臭機を使っての脱臭が効果的です。
  • アロマスプレー等
    ひば油(アロマ)と水で作ったひば水を乗車する前に車内にスプレーすると、車の消臭・抗菌作用があります。ひば油にはヒノキチオールなど(天然成分で身体に優しい)が含まれており、匂いの元を分解してくれます。
  • 芳香剤・香水は使わないこと
    芳香剤・香水は車酔いの原因になるので、間違っても使わないようにしましょう。

車内の温度を低めに保つ

犬は暑いと酔いやすくなるため、低め(20度前後)に設定してあげましょう。

なので、直射日光にも当たらないように工夫してあげましょう。

夏は熱中症に要注意です。(飼い主が車に犬を置き去りにして、犬が熱中症で亡くなる事故が毎年起きています)

乗車させる場所・乗せ方

  • クレート、ペットキャリー、ケージに入れる
    犬の体と同サイズのクレート(バリケン、バリケンネル)、ケージ、ペットキャリー、シートベルト等によって体が揺れにくく動きにくくなることで、車酔いの予防になります。なお、クレートなど犬を入れるものは、急ブレーキをかけた時に犬がぶつかっても安全なように、柔らかいソフトタイプを選ぶようにしましょう。ちなみに、これらクレートなどは布等をかけて暗くした方が落ち着くワンちゃんもいます。
  • 車の中心に乗せる
    最も揺れが少なくて酔いにくいのは、タイヤとタイヤの間である車の中心部分です。進行方向に体の前面を向けてあげてましょう。
  • 上記の方法が難しい場合
    上記の方法が、犬が過剰に鳴く・暴れたりするなどして難しい場合は、犬にシートベルトやリードをしっかりつけた上で、膝の上で抱っこしながらリラックスさせるといいでしょう。

なお、運転席での抱っこは絶対にやめましょう。大変危険ですし、道路交通法違反(第55条の乗車積載方法違反)になります。

こまめな休憩をとる

こまめに休憩をとって下車させて、気分転換をさせてあげましょう。

長時間のドライブになるときは、1時間おきに休憩をはさんであげましょう(車に慣れている犬でも2時間おきが安心です

ただ、車酔いの症状(よだれを垂らすなど)が出てしまったら、できるだけ多くの休憩時間をとってあげましょう。

外の景色を見せる or 見せない

外の景色を眺めると、車酔いする犬もいますし、車酔いが和らぐ犬もいます。

よって、犬の反応を見て外の景色を「見せる方が良いか、見せない方が良いか」を判断してあげましょう。

ところで、車の窓から顔を出しているワンちゃんをよく見かけますよね。

気持ちよさそうな顔の犬を見ると微笑ましいですが、危険なので顔は出させないようにしましょう。車から転落すること(実際に起こっています)や、急ブレーキで足腰を痛める恐れがあり、またタイヤで弾かれた石やモノが犬にぶつかって怪我や感染の原因になることも考えられます。

穏やかな運転を心がける

急発進、急ブレーキ、急カーブでの高速走行などの乱暴な運転は、車酔いの原因になります。

安全運転に努めて、安定した走行を心がけましょう

犬のお気に入りのモノを車内に持ち込む

犬が普段使っているクッション、おもちゃなどを持ち込むと、リラックス効果があります。

ツボによる車酔い対策

犬には精神的に落ち着かせ胃のはたらきを正常にするツボがあります。

ワンちゃんが酔ってきたかな、と思ったらこれらのツボを押してあげましょう。

前もって指圧しておくことで、予防にもなります。

犬の車酔いに効くツボ(内関・築賓)
Photo via Visualhunt

  • 内関(ないかん)
    前脚内側の手首を結んだ線の、手首から4分の1の部分(前足首の腱と腱の間)です。
    このツボを押すと心臓、胃に働きかけ、精神的を落ち着かせます。
    指圧するのは、両前脚でも片前脚だけでも良いです。
    車に乗る前の予防としても効果があります。
    車酔いの症状が出た時には、予防したときよりも強めに押してあげてください。
  • 築賓(ちくひん)
    後足内側のかかとのくぼんだ部分です。
    内関(ないかん)と同様に、症状が出たときだけでなく予防に押しても効果があります。
    内関(ないかん)よりも効果が高いとされるため、内関(ないかん)で車酔いの症状が良くならないときに押してあげてください。
  • 中皖(ちゅうかん)
    胸骨おへその中間を時計回りに優しくさするように撫でます(反時計回りは逆効果)
    胃痛、嘔吐に効果があります
  • その他の車酔い対策のマッサージ
    左右の耳の付け根を、優しくつまんで軽くもみます(左右10回)
    車酔いになってからでも、症状を軽減する効果があります。
    耳の付け根や耳先、目の上をマッサージしてあげると、犬は気持ち良いと感じる様です。

犬の酔い止めに効くモノ(食品・薬・アロマなど)

ここでは、犬の酔い止めに効くモノをご紹介します。

アロマ

アロマテラピーの香りは、吐き気興奮を押さえる効果があります。

犬の車酔いにも効果的です。

ただ、ドライブのときに初めて使用するのではなく、事前に試してワンちゃんが嫌がらないニオイかどうか確かめておきましょう。

<車酔いに効果的なアロマオイル>

  • ジンジャー:吐き気の原因の抑制作用があり車酔いやむかつきを軽減
  • ペパーミント:吐き気胃のむかつきを鎮静。細菌や腹痛にも効果的
  • ラベンダー・レモン:頭痛吐き気を抑え気分をすっきりさせる
  • ベルガモット:興奮を抑える
  • ゼラニウム:リフレッシュ効果

<車酔いに効くアロマオイルの使い方>

これら(特にジンジャー・ペパーミント)を湿らせたハンカチやティッシュに、1~3滴含ませた上でビニール袋に入れ、袋の中を嗅がせてあげます。

犬の車酔い対策アロマグッズ

  • アロママッサージオイル(商品名:ドライブアロマ 60ml、3,000~4,000円)
    掌で温めたオイルを、全身に塗りこんであげて使用します。
  • アロマミスト(商品名:ゴーゴードライブ 50ml、1,300円)
    スプレータイプで、匂いを嗅がせて使用します。

食品

  • 生姜
    生姜(ジンゲロールという科学的に証明された辛味成分)は、抗セロトニン作用があり吐き気を軽減することが知られています。
    スライスした生姜にお湯(少量の蜂蜜を加えてもよい)を注いだものを、冷やして飲ませるとよいでしょう。(小型犬は小さじ1、中・大型犬は1/3カップ)
  • ハトムギ・スイカ・小豆の茹で汁・キュウリなどの利尿促進食材
    むくみやすい犬や水分過多の犬は車酔いしやすいため、これらの食材で利尿促進しましょう。
  • ドクダミ茶の香り
    ドクダミの茶葉をバンダナ等に包み、犬の首に巻きます。
    個体差はありますが、試してみる価値はありそうです。

サプリメント

犬用の車酔い用のサプリメントも販売されています。

  • カーロップ(躾用液体サプリメント)800円
  • ハッピートラベラーソフトチュウズ(サプリメントおやつ)2,600円

酔い止め薬

これまでご紹介した方法を試しても犬の車酔いが治らない場合は、動物病院で酔い止め薬を処方してもらいましょう。

人間の酔い止め薬を飲んでも大丈夫?

人間用の酔い止め薬と同じ成分の薬は動物病院でも処方されることがありますが、体重によって服用量が違ってきますので人間の酔い止め薬は使わずに、動物病院で酔い止め薬を処方してもらいましょう。

OTC薬(一般医薬品)として薬局で入手可能な人用の酔い止め薬の主成分は抗ヒスタミン薬や副交感神経遮断薬です。抗ヒスタミン薬は胃を落ち着かせ、脳から放出されるヒスタミンの刺激によっておこる嘔吐を抑える働きがあります。副交感神経遮断薬(臭化水素酸スコポラミン)は自律神経の興奮を安定させる働きがあります。

これらの成分は犬でも補助的な効果がある場合があり、動物病院でも処方することはありますが、個体差があることを覚えておく必要があります。

出典:ペットクリニック・ドットコム

犬用の酔い止め薬

最近では、犬用の酔い止め薬も出てきています。

  • 犬用酔い止め薬セレニア
    急性嘔吐の抑制および予防、乗り物酔いによる嘔吐の予防に効果を発揮します。
    また、乗り物酔いだけではなく、様々な病気の薬の副作用による嘔吐も抑える効果もあります。
    副作用が少ないとされ、動物病院でもお勧めされています。

セレニア(cerenia)は犬の酔い止めとしても認可されたお薬です。

セレニアは、一般的な制吐剤として診療・治療でも用いられ、錠剤と注射剤とがありますが、「酔い止め」として処方されるのは「錠剤」となります。

出典:武内どうぶつ病院

嘔吐してしまった時のために

嘔吐したときの為に、ビニール袋ペットシーツを用意しておきましょう。

防水加工されたドライブシート(嘔吐しても処理が楽)が市販されています。

さいごに

愛犬の車酔いの対策は、まずは原因を知ることです。

車に乗る不安が原因なら、その不安を取り除いてあげる。

車の臭いが原因なら、臭いを解消してあげる。

ドライブが愛犬にとって楽しいものになったら、愛犬と一緒に、楽しい思い出をたくさん作りに出かけましょう!